保育園や幼稚園、小学校。
子どもたちには目いっぱい遊んでほしいですよね。
色んな友だちができる環境は、
裏を返すと病気をもらってくる感染源でもあります。
軽い咳だけだったはずが、
見る見るひどくなってきてる?!
一見風邪の延長に見えるその症状も、
もしかすると「マイコプラズマ」かもしれませんよ!
マイコプラズマとは?
![](https://www.tohokukk.jp/wp-content/uploads/2021/03/咳も止まらないけど痰も止まらない!これって何!?-1.jpg)
「マイコプラズマ」とは、肺炎の一種で、
肺炎マイコプラズマという細菌に
感染することで発症する病気です。
子どもや若い人の肺炎の原因として多いもので、
冬に増える傾向はありますが、
通年で起こりうる呼吸器の感染症になります。
患者数は、約80%が14歳以下、
60歳以上の高齢者は全体の約4~6%と
なっていますので、
ここからも、子どもや若い人に
多い病気であることがよくわかります。
感染経路としては、以下の2つが挙げられます。
① 飛沫感染
咳やくしゃみによって、
感染者より飛び出した細菌を吸い込むことで感染する。
② 接触感染
感染者の所持品、
ドアノブやリモコンといった共用のものに
触れることで、細菌が手に付着。
その手で非感染者が、
目や口、鼻などを触ることで、
その箇所にある粘膜から細菌が
体内に侵入することで感染する。
一つ安心していただきたいのは、
「マイコプラズマ」の感染力は
さほど強くない、ということ。
家庭や学校などで、
濃厚接触した場合には注意が必要ですが、
短時間の接触では、感染する可能性は低い病気です。
皆さんよくご存じのインフルエンザや
ノロウイルスと比べると、感染力も弱く、
また、感染拡大の速度も遅いため、
むやみに怖がる必要はありません。
どんな症状が出るの?
![](https://www.tohokukk.jp/wp-content/uploads/2021/03/咳 止まらない1-1.jpg)
潜伏期間は、約2~3週間と言われており、
発症すると、発熱、全身の倦怠感、
頭痛などの症状が現れます。
その他、喉や胸の痛み、
喘鳴(呼吸するとヒューヒュー音がする)、声枯れ、
吐き気・腹痛などの消化器系にも
症状が出ることがあります。
このように、マイコプラズマ肺炎は特徴が少なく、
なかなか普通の風邪との見分け方が難しいのですが・・・
① 鼻水や痰を伴わない咳(初期症状として)
② 熱が治まった後も、3~4週間と長く続く咳
上記の2点が、見分けるポイントと言えます。
最初は痰を伴わない渇いた咳が出ますが、
進行すると痰を伴う咳に変化していきます。
これは、
呼吸器に入ったマイコプラズマを外に出そうと、
粘液が異常に多く分泌されるためで、
血液が混ざることもあります。
排出された痰には、マイコプラズマが含まれているため、
発症後、4~6週間程度は、
人への感染に気を配る必要があります。
検査方法は?
![](https://www.tohokukk.jp/wp-content/uploads/2021/03/咳 止まらない3.jpg)
まずは、
肺炎であるかどうかの診断からスタートします。
① 胸部X線検査:
胸部のレントゲンを撮影し、肺の状態を確認します。
肺全体に白いモヤがかかったような
陰影(肺炎像)が見られると、
肺炎である、という診断ができますので、
以下の検査に進みます。
レントゲンだけでは、
マイコプラズマが原因であるかどうかは判定できません。
② 迅速診断法
綿棒で喉や鼻の奥をこすったり、
痰を採取したりして、菌がいるかどうか調べます。
所要時間は約20分。
陽性の場合は、ほぼ間違いありませんが、
陰性の場合、
陽性の可能性も残されているので、
確定診断とまではいかない検査です。
また、血液検査にも迅速診断があり、
30分ほどで結果が出ますが、
感染初期には抗体が作られていない場合もあり、
感染していても陰性の結果が出てしまう場合もあります。
マイコプラズマが疑われる場合は、
確定診断前に治療を開始することが多いため、
さらなる重症化を防ぐ意味でも、
この迅速診断が非常に役立ちます。
どんな治療をするの?
![](https://www.tohokukk.jp/wp-content/uploads/2021/03/093934.jpg)
上記でもお伝えしましたが、
マイコプラズマ肺炎は細菌性の病気になるため、
抗生物質を服用することで治療していきます。
一般的に最初に用いられるのは、
「マクロライド系」と呼ばれるものです。
この特定の抗生物質を使用するのには、
マイコプラズマの特徴が起因しています。
多くの細菌には細胞壁があり、
この細胞壁の中でないと存在することができません。
多くの抗生物質は、
この細胞壁を作らせないという作用で、
細菌を死滅させていきます。
しかしマイコプラズマは、そもそも細胞壁がないため、
まったく異なる方法でアプローチのできる
抗生物質が必要になってきます。
「マクロライド系」は、
マイコプラズマが存在するために不可欠な
タンパク質を作らせない、
という方向からアプローチするため、
この抗生物質を用いる必要があるのですね。
10~14日ほど、お薬を服用することで、
徐々に症状が良くなっていきます。
しかし、
この「マクロライド系」に対して耐性を持った
「耐性菌」が増えてきていることもあり、
その場合は、「テトラサイクリン系」や
「ニューキノロン系」の抗生物質に
変える必要が出てきます。
一般的には外来の内服薬で、
軽度に済むことが多いですが、
重症化すると、
入院をして点滴などによる治療を行う場合もあります。
まとめ
![](https://www.tohokukk.jp/wp-content/uploads/2021/03/681055.jpg)
初期症状が風邪と似ていて、
なかなか判断の難しい「マイコプラズマ」。
細菌による病気なので、
きちんと合った抗生物質を使用しないと、
長引いて重症化するリスクも高くなってしまいます。
感染力がそんなに強くないので、
掛かること可能性は低いかもしれませんが、
子どもや若い方の肺炎の原因として多いことは、
覚えておいた方が良いかもしれませんね。
万が一、疑いのある症状が出た時、
マイコプラズマではないでしょうか?
とお医者さんに伝えることで、
早期発見・早期治療を進めていける可能性があります。
マイコプラズマは通年で見られる病気です。
日頃のうがい・手洗いが何よりの対策になります。
これらの情報を知識として持っておくことと合わせて、
毎日のケアに気を付けていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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